2020/10/15 18:57

コーヒーでは、そのグレードをコーヒーピラミッドと呼ばれるものでランク付けしています。ただ、各グレードの呼び名は統一されているものの、その基準は商社や組織ごとに異なっています。ここでご紹介するスペシャルティコーヒーの専門商社ワタルの基準はCOE(カップ・オブ・エクセレンス)の評価を基準にしてあり、国際基準に準じたものです。
スペシャルティコーヒーは、コーヒー全体の流通量のたった5%程度と言われています。

ワタルのコーヒーピラミッド(引用)

COEカッピング評価基準および、SCAJカッピング評価基準をもとにワタルの経験豊かなカップテイスターの評価を下記のようにランク分けしております。

■Top of Top トップ・オブ・トップ
SCAJ、COEカップ評価 88点以上(COEトップ10以上のレベルです)
■Top Specialty Coffee トップ・スペシャルティコーヒー
SCAJ、COEカップ評価 85点以上(COE受賞レベルの商品です)
■Specialty Coffee スペシャルティコーヒー
SCAJ、COEカップ評価 80点以上(カップ評価項目において4項目以上が6点以上)
■Premium Coffee プレミアムコーヒー
SCAJ、COEカップ評価 76点以上(カップ評価項目において全項目が5点以上)
■Comercial Coffee コマーシャルコーヒー
SCAJ、COEカップ評価 76点未満

※SCAJ・・・日本スペシャルティコーヒー協会
※COE・・・カップ・オブ・エクセレンス(COEとは?)
※カップ評価項目・・・FLAVOR:フレーバー、AFTER TASTE:後味の印象度、ACIDITY:酸の質、MOUTH FEEL:口に含んだ質感、CLEAN CUP:カップのきれいさ、SWEET:甘さ、BALANCE:ハーモニー均衡性、OVERALL:総合評価の合計8項目から成り立ちます。
(各項目8点満点+基礎点36点=100点満点)


スターバックスのコーヒークオリティは?

ちなみにプロの間でどこからがスペシャルティコーヒーかという話をすることもよくあるのですが、半分冗談でよく言われるのはスターバックスのコーヒーがスペシャルティコーヒーの最下層という表現です。これはバリスタやロースターがスターバックス以上のコーヒーを提供しないと自分たちの存在価値が無いという意思の現れでもあります。
ただ、実際にはスターバックスのラテなどに使われているコーヒーはスペシャルティコーヒーではありません。(もしかするとスペシャルティも混ざっているのかもしれませんが)これは、生産地で実際にスターバックス用に出荷される豆のクオリティを見た僕個人の感想です。
店舗で販売している袋詰のシングルオリジンやブランドコーヒーはスペシャルティレベルでしょう。ただ、深い焙煎して賞味期限が1年もあるコーヒーなので、元のコーヒーの品質が良くても無駄にしているなと感じてしまいます。

こう書くとスターバックスを嫌っているように思われますが、あくまでコーヒーの品質についてはイマイチというだけです。
しかし、実はコーヒーへのこだわりを捨てたことがスターバックスが大きくなれた要因だとも考えています。それはブルーボトルコーヒーとの比較がわかりやすいと思います。ブルーボトルコーヒーはコーヒーへのこだわりを前面に押し出したことで、顧客層を限定してしまったことやトレーニングコストが嵩んだことやリソース不足になったため、理想的な拡大が出来ませんでした。スターバックスはエスプレッソドリンクを押し出した創業時代と同じく、コーヒーへ固執せずカフェとしての価値を高めることにシフトしたことでコーヒーマシンの自動化による効率化やトレーニングコストの削減を成功させ、成長スピードを加速させたと言えると思います。
また、スターバックスの一番の強みは商品開発力だと思っています。あれだけ高品質で多彩なメニューを展開し、多くのファンを引きつけているカフェは他にありません。
その他、一時期は店舗の内装が収益性アップのために席数が増えたり、椅子の座面が狭くて固くなったりということも行われていましたが、今はどの店舗も大幅に改装されており、居心地のいい空間に戻っています。旗艦店のようなお店も全国に展開しているのもすごいですよね。既にコーヒーという枠を超えて、カフェブランドとしての圧倒的ですし、あの規模になってもホスピタリティの高いスタッフ教育ができている点も本当に素晴らしいと思います。

残念ながら日本市場では、コーヒーに拘った大型チェーンは失敗しているように感じます。スターバックスですら、Inspired by などを展開しましたが上手く行きませんでした。それよりもRosteryで展開しているように、よりカフェをエンタテインメント化し、コーヒーの枠に留まらない食の体験を提供するというのが彼らの強みですね。ぜひこれからも面白い展開を見せてほしいです。

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